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携帯電話販売のセールストーク

携帯電話の調子が悪くて、機種変更に行ってきました。
で、セールストークを聞いていたんですが、ほんと、やりたい放題ですねー
「近視眼性」をうまく利用していましたし、それに「アンカー」をうまく植え付けていました。
要するに、バリバリ、心理操作しているセールストークで、その裏側がわかるだけに、うんざりしてしまいました。
うんざりしても、携帯はどこも同じような商売をしていますから、結局、機種変更しましたけどね。
というわけで、今回は、携帯電話のセールストークのお話です。

人の習性を利用したセールストーク

人には以下の習性があるのでした。

・近視眼性:たとえば「今すぐ100万円支払え」といわれるよりも「月1万円を支払え(10年間)」といわれたほうが負担が少なく感じます。実は前者のほうが支払い総額は低いのですが、「今すぐ」の金額に目がいってしまいます。このように、人は、目の前にあることしか見えません。
・アンカーを植えつける:今度、詳しく説明しますが、人は常に「比較」する生き物ですので、比較する「基準」を意図的に植え付けることで(アンカー)、心理操作することができてしまいます。

まずは、心理操作の解説抜きで、セールスを味わってみてください。
※)あくまでフィクションです。私が携帯を販売するなら、こうするというフィクションですので、あしからず。ちなみに、みなさん、もっと巧妙に騙されているかもしれません(笑)

■機種A
定価は10万円です。
ちょっとお高いですが、割引プランに加入すれば、毎月の基本料金が割引されて、実質、月々1000円の支払いになります(24ヶ月)。

しかも!
ただいま、キャンペーン中!

機種Aを選べば、4千円キャッシュバックします!

……お得すぎて怪しいって?割引プランでお金をとるんじゃないかって?
割引プランは、永久に0円です!
ただ、携帯を大切に使っていただきたいので、2年間は、その携帯を大事に使っていただくことが条件です。2年以内の機種変更などがあれば、違約金として2万円いただきます。

■機種B
定価3万円です。
割引プランがないので、月々1250円の支払いになります(24ヶ月)

■さあどっち?
月々1000円の支払いの機種A(24回支払)。
しかも、4千円のキャッシュバックもあります。
ただ割引プラン(0円)の加入が必要です。
一方、月々1250円の支払の機種B(24回支払)。

同じような性能で、同じような外観。どっちを選びますか?

Aを選んでしまうのではないでしょうか。
だって、単純計算、機種Aは定価10万円が2万円になっていますし、機種Bは定価のままで3万円ですし。
でも、「本音」を書くと以下になります。

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機種Aの定価について

電化製品って、定価はあってないようなものなんだよ。
だから、定価10万円といっても、適当。実質は3万円くらいかな。
じゃあ、なんで、定価10万円って言うのかって?
アンカーだよ、アンカー。

「この商品10万円」って言ったあと、「実は1万円でした」っていうと安く感じるだろ?
逆に「この商品5千円」って言ったあと、「実は1万円でした」っていうと、高く感じるだろ?

前者は、10万円っていうことで、10万円が「基準」になったんだな。だから、その基準よりも大幅に低い1万円は安く感じるんだな。
一方、後者は、5千円っていうことで、5千円が「基準」になったんだな。だから、その基準よりも高い1万円は高く感じるんだな。同じ1万円なのになー

定価10万円って「総額」の価格を言っていたのに、なんで急に「月々の支払い」に言い直したのか?

そんなの近視眼性に決まっているだろ?
※)人は、目の前にあることしか見えない(近視眼性)

2万4千円の支払いっていうよりも、月々、千円の支払いの方が、安く感じるだろ?
それに、そう言った方が、定価10万円のアンカーが、より利くだろ?

※)定価10万円→2万4千円に割引
※)定価10万円→月々、千円の支払

ぶっちゃけ、機種Aと機種Bはどっちが儲かるの?

そんなの機種Aに決まっているだろ?
機種Aは、3万円を2万円に割引して、1万円損しているのに、なぜって?
商売で一番もうかるのは「リピーター」なんだよ。毎月課金することが重要なの。だって、基本料金5千円だと、24ヶ月で12万円。この客が他社にいかれると、12万円の儲けがなくなるんだぞ?
だから「割引プラン」に加入させて「違約金」という言葉を使いたいわけ。
どういうことかって?

解約しにきた客に、「2万円の違約金を支払え」っていえば踏みとどまるだろ?踏みとどまらず、解約するって?
ぶっちゃけ、オレ、解約しようがしまいが、どっちでも得するんだよ。

・解約を踏みとどまる→引き続き、毎月課金できる。解約しないならば、割引した1万円は損したままだって?基本料金で割引した分は儲かるからいいんだよ。だから、いつ解約されるかわからない携帯Bを選ばれると辛いんだね。
・違約金を支払う→割引した1万円を上回る2万円が手に入る

割引プランって、実は、ぼったくりだって?そんな不利な条件で、契約しないって?
そりゃそうだろう。だから、ここも近視眼性なんだよ。
携帯を購入するとき、みんな、近くのことしか考えられないから「2年間解約しないから、割引プランでいいっか!割引プランを選んだところで、今、お金を支払う必要はないし」なんて思うんだよ。
でも、2年だぞ?
新機種が出たり、故障したり、古くなったりして、大抵は、買い換えたくなるんだよ。

機種Aになんでキャッシュバックしているの?

そんなの儲かる機種Aに申し込ませるために決まっているだろ?
どういうカラクリかって?
※)このカラクリは、また今度、詳しく説明します。

A、1万円を支払うときの痛み
B、50万円を支払うときの痛み

Bの方が圧倒的に痛いだろ?
でも、以下ならどうだ?

A、5001万円を支払うときの痛み
B、5050万円を支払うときの痛み

なぜか同じくらいの痛みになるだろ?
人は、支払うときの痛みは、金額が大きくなればなるほど、鈍くなるんだ。で、以下だ。

A、4千円の支払うときの痛み
B、4千円貰うときの喜び

この絶対値を比べると、面白いんだよ。
数学的に考えると、Aが100の痛みならば、Bは100の喜びになるよな。だって、同じ「4千円」なんだから。でも、人は、Aが100の痛みならば、Bは150の喜びになるんだ。
※)もちろん、数値は適当です。

だから、4千円のキャッシュバックなんだ。
どういうことかって?

A、2万円の支払い
B、2万4千円の支払い

まあ、同じような痛みになるわな。
で、以下だ。

A、2万円の支払い
B、2万4千円の支払い
4千円キャッシュバック!

まあ、こうやって並べて見ると、同じように感じるかもしれないけど、うまくセールストークに織り交ぜると、Bの方がお得に感じるんだよ。

……あくまで、私の想像です。定価10万円の携帯は、本当に10万円なのかもしれないですし、実は1万円かもしれません。あくまでフィクションですので、あしからず。

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